「あーやーとっ!!」



私は、幸地 沙茄(こうち さな)


今は、隣の家で幼なじみの、


赤池 綺斗(あかいけ あやと)の家の前で

叫んでいます。

「おーい!!あーかーいーけーあーやーとっ!」

「(バタン)」


「うるさい!近所迷惑だろ、お前は小学生か」


「綺斗が遅いから悪いでしょ!!」


今日から新学期。3年になるのに綺斗は今日も寝坊したらしい。


「綺斗ほんとおっそい!」


「はいはい、すいませんでした」


「はいは、1回!!」


「はいはいはいはいはーい」


毎日こんなくだらない話をしながら一緒に登校している。


「あっ、綺斗っ!!同じクラスだよ!!」


「またかよー、中学校生活全部お前がいるとか、俺2年間頑張ったな。後1年頑張るか。」


「は、はあっぁぁぁぁ?」


こんな普通の会話が私には幸せな毎日だと感じていた。それは…綺斗が好きだから…