「わざわざ作ってくれたの?」

「手作りで申し訳ないけど」

「ううん!嬉しい!」


苳が満面の笑みで翠を見ると


翠も微笑み返した。


「ねえ、フキ」

「何?」

「フキは“好きな人”いる?」


少しの間、沈黙が流れた。


横を向くと、翠と目があった。


「スイ」

「…え?」

「私はスイが好きだよ。」


言った。


言い切った。


そう思った。


これで後悔は無い。


出会って4日。


もうどうしようもなく翠に惹かれていた。


「そっか、ありがと。」


翠は優しく微笑んだ。