「そうだ、さっきね、門の前に猫がいたの。気持ちよさそうに寝てた。」

「ブチの猫だろ?あいつ、綺麗なんだよなー。俺もたまに見るよ」

「そうなの?この辺に住んでるのかな?」


季は苳の言葉に答えることはなく、


お皿を出して、


ご飯とカレーを盛り付けた。


「はい、食べな。どうせ明日も家出るんだろ?」

「え?」

「スイに会いに行くんだろ?俺は明日何もすることないから遅くても大丈夫」


季はお皿に盛り付けられたカレーと、


水の入ったコップを机に置いた。


「ありがと」


本当に季はすごい。


なんでも見通していると苳は思った。