ケンムンの森

「あのねえ、佳文は覚えてないのかしら。
私達があの島を引越す前にあなたたち四人は一週間程行方不明になった事があるのよ。」
えっ。。驚いた。全く覚えていない。

「その顔じゃ覚えていないわよね。私達は必死に探したわ。
一週間程して家の裏にある山で見つかったの。そこに防空豪があってね、あなたたちはそこでよく遊んでたのね。でも、ゆきちゃんだけは見つからなかったの。」

ゆきちゃん…そう、彼女は俺の初恋の女の子だった。
暑い南国の島なのに雪のように白くほっぺたが少し赤くて可愛らしい女の子。
そうだった。いつも5人で防空豪で遊んでいたのだった。