「わぁぁ!」
また、だ。
2時22分
ここのところずっと同じ夢。
佳文は、目覚めが悪く苛立ちながら、予備校へ行く準備を始めた。
彼は世間一般で言う『浪人生』である。

父親の祐一は厳格な人で特に学業に関しては厳しかった。
いずれは自分も父と同じように医師として働かなければならないことを考えると気持ちが滅入る。医師とは、昔から親を見て育っているから、休む暇がないほど忙しく、家族奉仕はゼロに等しい職業だと思っている。

だが、レールの上を走っている方が楽で良い。
最近は、受験ノイローゼか?と自分でも心配するほど夢見心地が悪い。
夢の大半は覚えてないのだが、何かに追いかけられているような。。
まあ、こういうのは放っておくに限る。

佳文はのんびりと駅へ向かって歩き出した。