「先輩のその真っすぐな瞳が、先輩の優しい温かさが……。
孝先輩の全部が、好きです」
私がそう言うと、孝先輩は目をまん丸にしていて。
そして、そっと、強く、私を抱きしめた。
「……夢、じゃないよな」
「なにバカ言ってるんですか」
「嘘、とか言わないよな」
「こんな嘘つくほど、性格悪くないです」
「……うん、俺も。好きだ」
孝先輩はそう言って、そっと私の顎を持ち上げる。
最初は、ちゅっと鼻の先に唇を落として。
額に、頬、耳。
優しく、優しく、唇を落として。
少しくすぐったいけど、たまらなく嬉しくて。
幸せな気持ちが体を巡っていく。
そして最後に、視線が混じり合って、
熱い唇に触れた。

