「……やっぱ、変わったな野村」 「え……?」 「じゃあ、俺も伝えてみるかな」 「うん、頑張って!」 「じゃあ、わたし教室いくね」と言って資料室のドアに手をかけたとき、前田くんに手首をそっと掴まれた。 「前田くん?」 「好きだよ」 前田くんは、真っすぐに、私の瞳を見つめて、 優しく笑って、そう言った。