資料室について、テーブルに教科書を置き、私はグッと腕を伸ばす。
「んー、つかれた〜、前田くん、手伝ってくれてありがと」
「いいって」
「あ、前田くん」
「ん?」
「片思いでも、絶対に叶わなくても、好きって……伝えても、いいと思うよ?」
「え……」
「私も……さ、好きな人いて、でも、絶対に叶わないって思ってた。でも、伝えたら相手を困らせるだけだって思って、伝えなかったの」
だけど……そんなわたしの背中を押してくれた人がいて。
「でも、伝えたら、やっぱりダメだったけど、想像と違った返事で、すごい……嬉しかった」
『好きになってくれて、ありがとう』
まさか、こんなにも、嬉しい言葉をくれるなんて思わなくて。

