「あれ、野村?」
「あ……前田くん」
「そんなとこでなにして……って、チョコ、レート?」
「あーうん、えと……」
前田くんは一瞬寂しそうな顔をし、ニコッと笑って私の頭を優しくポンポンと撫でた。
「篠原先輩なら、さっき体育館の方にいたぜ」
「え……」
「あれ、それ、篠原先輩にだろ?」
「う、うん……」
「あの人なら、野村から直接もらったら泣いて喜ぶんじゃね?」
「そんな大げさなっ」
でも……。
昨日のあの様子だと、本当に楽しみにしてそうだったな。
「……そうだと、いいな」
「……なんか、野村変わったな」
「え?」
前田くんの言葉に首を傾げると、前田くんは優しく笑った。

