二月になり、バレンタインが近づく。
クラスの女の子は、昼休みに雑誌を開いてバレンタインの特集をみていたり。
「莉緒ー、帰ろうぜ」
孝先輩とは、元旦の日から少し気まずいときがあったけど、一緒に帰るのは変わらなくて。
日が進むにつれて、いつも通りに戻っていった。
でも……少しだけ、変わることもあって。
「莉緒、もうすぐバレンタインだな〜」
「そうですね〜」
「もちろん、俺にくれるんだろ?」
「……さあ、どうでしょ」
子供みたいに笑う孝先輩をみて、そっと微笑む。
……日が進むにつれて、私の中の孝先輩の想いは強くなっていた。
この子供っぽい笑顔に、胸がギュッとなる。
いつから……だったのかな。
私が、孝先輩を好きになったの。