「これ、一緒にみに行かない?」

「映画……?」

「この前先輩からもらってさ」

「へえ、今度公開するアクションの。うん、行く!」

「……いいの?」

「え、うん」

なんでそんなことをきくんだろう、と首を傾げていると前田くんは目をまん丸にしていて。

「……篠原先輩は、いいの?」

篠原先輩、の言葉に胸がドクンと高鳴る。

「……いいの」

別に……孝先輩が私を好きでも、私が誰とどこにいこうが、関係ない。

「教室、いこ?」

そう笑って言うと、前田くんも笑顔で返してくれた。