「先輩はそうやって私に簡単に好きとか、可愛いとか言いますけど、ホントに、本気なんですか?」
簡単に言う、好きとか可愛い。
そんなに簡単に言えるほどの気持ちなのかなって……思ってしまう。
先輩は「家、ついたよ」と言って立ち止まる。
「先輩……?」
「俺は、莉緒が好きだよ」
「……だから」
「でも、莉緒は一度もこの言葉の返事をくれない」
先輩の言葉に、私は思わず目を丸くする。
「俺の誕生日プレゼント、もう一つ、お願いしてもいい?」
「えっ……」
「莉緒、好きだよ。これに対する、莉緒の気持ち、きかせて」
そう優しく笑う先輩に、私は、胸がギュッと苦しくなる。

