学校も冬休みに入り、今日はもう12月31日。
「莉緒」
「……遅いです」
私は、孝先輩と一緒に近くの神社へ初詣にきている。
もちろん、誘ったのは孝先輩から。
この前のこともあったから、さすがに断れず、私は了承したんだけど……孝先輩から一つ、お願いとやらがでてきて。
「いやーマジで着物着て来てくれるとは」
「……お母さんがテンション上がっちゃっただけです」
家に着物があれば、ということだったので、私の家に着物なんてもの置いてるとは思わなかったから、オーケーしたんだけど。
お母さんにきいてみたら……。
『着物? あるわよ? なんで? もしかして孝くんと? あらやだ〜すぐにだすわね!』
なんて、ノリノリな答えが。
なんであんなに私のお母さんは孝先輩がお気に入りなんだろう……。