「……しょうがねえなあ」
「えっ」
「莉緒にそーんな可愛いこと言われたら、帰れないっつの」
そうニッと笑う孝先輩に、私の胸が高鳴る。
先輩は腰を下ろし、そっと私の額に触れる。
「熱は、昨日より下がってるな。側にいてやるから、今は少し寝ろよ」
そう言う先輩に、私はこくんと頷く。
「その前に、汗かいたろうし、着替えな?」
「はい、そうします」
「……着替えさせてやろうか?」
そう悪戯っぽく笑って言う先輩に、顔がかあああっと熱くなる。
「バカ言わないでください!!」
先輩はクスクスと笑いながら、「お茶、もらってくるな」と言って下へと部屋を出て行った。
……もう、先輩って、デリカシーものを。
なんて、そんなの孝先輩らしくないけど。

