「おい、サッカー部の先輩、呼んでたぞ」
「あ、じゃあ、野村また」
「うん、ばいばい」
前田君は「ほんとにごめんな」と言い残して、保健室を出て行った。
「孝先輩、その……」
「こんっの、ばっかやろう」
先輩はそう強く言って、私の額に強くデコピンをした。
「いっ。な、なにすんですか、そんなつよ」
強くやらなくても、そう言おうとしたけど、先輩の表情を見て、口が止まる。
「ほんとに、お前は大バカ者だよ。どれだけ……心配させんだよっ!!」
孝先輩は、とても切なそうな顔をしていて。
口調は怒っているけど、声は、今にも泣きそうで。
目を丸くする私を、孝先輩は強く抱きしめた。

