約束の土曜日の朝、わたしはゆっくりと起き上がる。
「んー大丈夫、かな」
体調は昨日よりは良い気がするし。
私服に着替え、試合が始まる15分前にはつくように家を出る。
天気、曇り、かあ……。
雨降らないといいなあ。
学校につけば、グラウンドの周りには部員の親らしき人がたくさんいた。
あんまり生徒はきてないのかな……。
そんなことを思いながらキョロキョロしていると、遠くから「野村!」と私の名前を呼ぶ声がきこえた。
「あ、前田君」
「来てくれてサンキュ! 超嬉しい!」
「約束、だしね。試合頑張ってね」
「おう、じゃあ、そろそろ始まるから」
「うん」
そういえば、孝先輩はまだ来てないのかな……?

