「あのー莉緒ちゃん? さすがに、俺も理性が……」 「え……?」 顔を赤くして、そっぽを向く先輩に、私は首を傾げる。 「ほら、莉緒、顔さらに赤いし、早く車に」 「嫌です」 「え……?」 「もう……ちょっとだけ」 私はそう言って、ハッと我に返る。 い、今、わたし……。 自分の顔がかああああっと熱くなるのを感じる。 「し、失礼しましたあああああああ」 「って、おいっ」 私は自分の鞄をとって、全力疾走で下駄箱へと走った。 校門の方に出ると、自分の家の車があって、勢い良く乗り込む。