「……それ以外に、どうしたらいいんですか。ずっと、ずっと長谷川先輩を見てたんです、わかりますよ……どんなに、長谷川先輩は結城先輩が好きか」
ずっと、ずっとずっと見てきたから。
嫌になるくらいに、わかるんだ。
「私だって……っ」
そっと、声を振り絞る。
「好きって言いたいですよ……っ」
言いたい。
このどうしようもないくらいの好きを。
「でも……っ、先輩の困る顔は見たくないんです……!!」
好きな人のそんな顔は見たくないの。
だって、私の好きな先輩は……。
「大丈夫だよ」
ぽんぽんと、篠原先輩が、私の頭を優しく撫でる。
「莉緒の惚れた先輩は、告白されて困るような男なのか?」
そんな言葉に、私は目を丸くした。
心が、スッと、軽くなるのを感じる。

