教室につけば、沙代が目をまん丸にしていた。
「ちょっと、ちょっと、ちょっと! 莉緒、なにさっそく浮気してんのよ!」
「はあ?」
「しかも前田君となんて!! 贅沢者!!」
「ちょっ、なに変なこと言ってんの。前田君とは普通に話してただけだし。っていうか、浮気ってなに、わたし誰ともつき合ってないから」
「篠原先輩という人がありながら何言ってんのよ!!」
「いや、あんたが何言ってんの……」
なんで沙代の中で私と篠原先輩がそういう関係に……。
なにかと言ってくる沙代を無視しながら、お弁当を食べる。
チラリと、窓の方に目を向けると、空が曇っていた。
「あ、今日雪降るかもしれないんだってー」
沙代のそんな言葉に、私は「ふーん」と軽く受け流す。
今日先輩、部活来るかな……。

