「……ねえ、2人がつき合ってるって噂、ほんとなの?」
私と篠原先輩を交互に見ながら、結城先輩はそう言った。
「それ、俺も気になってた」
結城先輩に続いて、長谷川先輩は横から顔を出す。
そんな先輩と目が合い、私は思わずそっと逸らす。
「違います、つき合ってないです。それに、どちらかというと、私は篠原先輩のこと好きじゃありません」
「え〜」
「だって、ずっと思ってたんですけど、なんでいつもそんな目だつ青色のパーカー着てるんですか」
「これ、かっこいいだろ?」
「最初不良かと思いましたよ」
「ははっ、でも、俺こう見えて天才だし?」
「天才って……何言ってんですか」
またこの人はわけのわからないことを。
「ほんとだって、ほら」
そう言って渡されたのは、つい最近全学年返された全国模試の結果。
その結果に目を通し、私は目をまん丸にした。
「うそ……」
「すごいっしょ?」
順位のところは全部1から3のどれかしか並んでいない結果に、私は口をぽかーんと開けていた。

