彼女だし、来てくれるのが嬉しいのはわかるけど……。
楽しそうに話す2人を見て、私は小さくため息をつく。
こうやって、実際に近くで見ると、美男美女でお似合いで。
胸が痛くなる。
「ちーっす」
声のした方を見ると、篠原先輩が欠伸をしながら立っていた。
篠原先輩は少し眠そうに私の隣に座る。
「篠原先輩どうしたんですか? すごい眠そうですけど……」
「どっかの誰かさんがめずらしく可愛いこと言うから、眠れなくてな」
「へえ、昨日ドラマにそんなシーンあったんですか?」
私がそう言うと、先輩は深くため息をついた。
「ってか、あの人が結城先輩?」
「あ、うん。今日雨で陸上部お休みなんだって」
「ふーん。すんげえ美人だな、莉緒よりずっと綺麗」
「喧嘩うってます?」
「いーや? 不快な気持ちのお返し」
首を傾げていると、結城先輩がそっと近づく。

