「先輩?」 篠原先輩は、耳の裏を触りながらそっぽを向いていて。 「あのー、顔、真っ赤で」 「うるせっ、ほら、帰るぞ」 手首を掴まれ、私を引っ張りながら前を歩く篠原先輩の背中を見て、私は、思わず小さく吹き出した。 なんというか、篠原先輩は、ほんとに不思議な人だ。