「莉緒、最近ため息多くない?」
「誰の所為ですか、誰の」
「ため息多いと幸せ逃げるぞ〜」
「吸えば幸せ増えるんですか」
私がそう返すと、篠原先輩はぷっと吹き出して、ケラケラと笑う。
「ほんと、莉緒はおもしれーなあ」
そう篠原先輩は笑って、ぽんぽんと私の頭を撫でる。
こうやって、話してて思うけど、篠原先輩はいつも笑ってる。
私は帰るときと、部活の時しか一緒にいないから、もっと周りには違う表情を見せてるのかもしれないけれど……私が知っている篠原先輩はいつも笑顔だ。
怒ったりするところ、想像できないなあ……。
なんて思いながら、横から篠原先輩の顔を覗く。
「……なに?」
「いや、篠原先輩って怒ったりするのかなって」
「は?」
なんだ急に、そう言いたいような顔をしてる篠原先輩。
まあ、いつもこういう急なことを言うのは篠原先輩の方で、私からこうやって話を振るのはめずらしいのかも。