「……じゃあ、毎日俺と帰ってよ」

「……は?」

急に、何を言うんだこの人は。
っていうか、じゃあって何、なんのつながりもないじゃん。

「嫌です」

「でた、莉緒ちゃんの嫌です。別に一緒に帰るくらい、いいだろ?」

「なんで篠原先輩と毎日帰らないといけないんですか。お友達と帰ればいいじゃないですか」

「むさい野郎と帰るより、可愛い後輩と帰る方が嬉しいじゃん?」

「……」

「お、無言ってことは、オーケー?」

「違います、引いてました」

残り少ないココアを、グッと一気に飲みきり、ゴミ箱へと捨てる。
それに続いて、先輩も飲み干して、ゴミ箱へと投げた。

「よし、帰るか」

もうこの人は一緒に帰る気満々らしい。

私は、小さくため息をついて、先輩の後にゆっくりついて行った。