顔を上げれば、先輩の青色のパーカーが視界にはいる。
「莉緒」
そう優しい声で私の名前を呼び、そっと引き寄せられる。
「先輩」
「なに?」
「……ありがとう」
そう小さな声で言えば、先輩は「ん? なんて?」と聞き返す。
私は、「いえ、なんでも」と返せば、先輩は少し不思議そうな顔をして。
そして、そっと、優しく唇を落とす。
先輩……絶対口にだして言わないけど、
こんなわたしを好きになってくれてありがとう。
わたし、先輩と出会えて本当によかったよ。
そっと唇が離れ、目を開ければ、
青色の世界が広がっていた。
〜END〜

