帰り道、先輩はずっと口元を上げていて。
風が少し強いからか、青色のパーカーが揺れている。
「そうだ、莉緒」
「はい?」
「映画、今週の土曜でどう?」
「いいですけど……」
「やった」
先輩は、そう嬉しそうに笑った。
「風邪、ひかないようにしとけよ? 莉緒ちゃんは、俺との約束すーぐ破るから」
孝先輩そう、少し意地悪に笑って言う。
私は何も言い返せず、ムッと顔をすれば、先輩はクスクスと笑う。
「まあ、風邪ひいたらまたお見舞いいってやるから」
「そんな簡単にひきません」
「ははっ」
嬉しそうな笑顔に、胸が高鳴る。

