「莉緒ちゃんは、わかりやすいですねー」
「……っ」
「今日だって一緒に帰ればよかったじゃん」
「……それができたら、篠原先輩と今一緒にいないです」
そう、だって……。
下を向いていると、奥から聞き慣れた声が聞こえた。
声の方に視線を向ければ、やっぱり、と思った。
視線の先には……長谷川先輩と、もう一人女の人。
「なあ、あれって」
「結城先輩。結城志穂先輩だよ、陸上部で、長谷川先輩の彼女。水曜日はこうやって、結城先輩と一緒に帰ってるの、長谷川先輩」
「……」
「……一緒に帰りませんか、なんて……誘えるわけないじゃないですか」
ずっとずっと、見てきた、あの光景を。
たぶん、この先も、ずっと。

