「あっ!
番号、あったよ!」

「あぁ。
俺も、見つけた」

寧人と、喜びをわかち合う。

…あれから、二年もの月日が流れた。

旧校舎は、私たちが高校一年の二学期を迎えた頃、あっという間に取り壊されてしまった。

今は、新しい校舎が建てられている。

私たちは、取り壊される前に何度か旧校舎を見に行ったけど、あの幻の声を再び聞く事は無かった。

…あれから、二年が過ぎ………

今は、冬。

私たちは高校三年生になり、大学受験という、高校受験に続く、第二の壁が立ちはだかった。

私と寧人は、同じ大学を志望していた。

その大学は、寧人にとっては、行ける範囲の大学だったが、私にとっては、かなり頑張らなければいけない大学だった。

一月に行われた最終模試でも、あまり良い結果が出ていなかったし、自己採点もいまいちだった。

私と寧人は、第二次募集を受けた。

もしこれに落ちたら、寧人とは再び離れて、他校の大学に通わなければいけない。

あの高校三年間、寧人を他の人に取られないか心配した三年間を、また大学で味わいたくない。

…でも、今。

私の身に、どれほどの奇跡が起こったかを知った。