「私も、あなたに沢山お世話になった。
部活の時、授業の時、休み時間の時。
色々な面で、お世話になった。

私こそ、今までどうもありがとう。
それから…」

私は、大きく息を吸った後、言った。

「私たちを、結んでくれてありがとう」

「…そして………
さようなら。

あなたと過ごせた事、私はこれから大人になっても、決して忘れない…
あなたも…私を、覚えててくれたら、とても、嬉しい………」

言い終えて、フーッとため息をついた。

「…今の、聞こえてくれると良いな…」

寧人が、泣いている私の背中に優しく手を回して、微笑みながらこう言った。

私は泣き笑いを返して明るく頷いた。

聞こえてると、良いよね…

いや……

きっと、聞こえてるよね………!

私たちの所に、暗い影を作る旧校舎が、私たちに向かって笑い返してくれているような気がした。