モバイバル・コード

「なんだもう愛梨も居たのか。ならこんなに焦ってくる必要もなかったのに。秋風が気持ちいいし、もう1時間くらいサイクリングして来ようか?」


「いいよいいいよ、早く入って。母さんがご飯作ってくれたから龍ちゃんも食べてよ」


 雷也のおばさんがオレ達にカレーをふるまってくれた。


 味も申し分なしで大満足だ。


 聞けば雷也のおばさんは、この後深夜バスに乗って旅行に行ってくるらしい。


 箱根の2泊3日なんて洒落(しゃれ)てる旅行だ。


 最後にオレが遠出したのはいつなんだろうか……慶兄と、雷也と愛梨と出かけた以来だと思う。


 食事も早々に、オレ達は雷也の部屋でくつろいだ。


 右腕の時計の時刻は22時10分を指していた。


 携帯のことについてレクチャーを受けるが、さっぱり頭に入らない。


「とりあえず今使えるのは『通話』と『メール』と『サイトに接続』と、『地図を開く』のと『バーコードを読み取る』くらいでいいんじゃないか?

『つぶやきツール』とか、自己紹介するサイトとか説明されても分からないな。そもそもなんでサイトで自己紹介するんだよ」



 オレは当たり前の話だと思ってる。


 実物の本人を見てもいないのに、サイトの自己紹介なんて読んでも『嘘か本当か』分からない。