モバイバル・コード

「悪かったよ、龍ちゃん。そうだ、アプリ使いなよ、『地図アプリ』

携帯電話の『GPS機能』に反応して、現在地が分かるんだよ」



 オレは電話を切り携帯を確認する。


 確かに『MAP』とかかれた絵がある。
 


 ……凄い。


 
 自分の『位置情報』はもちろん『コンパス機能』まで備わってる。


 これは便利だけど……こんなものがあったら、誰も地図帳を買わないと思う。


 幼い頃から図書館が居場所だったオレにとって、『紙の媒体』こそが唯一無二の信頼出来る情報だった。



 今の時代はやっぱり、違うのか。



 地図を見ながら自転車で走ると、一際大きな白い家が見えてきた。いつもの雷也の家に向かう道路だった。


 高級感漂う門を抜けてドアチャイムを鳴らす。



──『ガチャリ』



 雷也がスッと顔を出す。



 愛梨もその上からちょこんと顔を覗かせた。