モバイバル・コード

 オレの力になってやれと話しながらも、困ったらオレに頼めって何か矛盾している。


 慶兄がただ矛盾している事を考え無しに言うわけがない。



───言い知れぬ違和感



 オレは急に机から顔を起こした。二人が同時にこちらを見た。盗み聞きを問い詰めるつもりも無いらしい。


 朝のメールの返信も兼ねて、慶兄に慣れないメールをする。

 
 電話番号で送るショートメールというやつだ。



【慶兄きのうは心配 してくれて、ありがとう】



 10分もかかってしまい、二人にまた笑われた。

 
 今度は訂正しようともせずに『その書き方が龍ちゃんの持ち味』とまで冷やかしてくる。


 時間割を見ると次の授業は数学か。


 お決まり通り、タイミングよく現れる先生。



──『ブブブブブッ』



 携帯のバイブレーターがオレに着信を告げた。



──From:霧島慶二──

『どういたしまして りゅういちくん』

───────────


 授業は始まっていた。


 先生がこちらを見た気がして、オレは携帯を強引に胸の内ポケットにねじ込んだ。


 なんだ、こうして返事が来るなら朝は寝てただけじゃないのか?


 雷也の奴、珍しく外したな。