モバイバル・コード

「龍ちゃん、それ超ナイスアイディア! 箱根に面白い温泉アトラクションがあるんだよ、あたしこの前テレビで観たの」


「温泉だぁ…? お前ら、ガキの分際で……」


「政府の金じゃないなら、いいんだよ。葵も行きたいよな?」


 葵は少し、恥ずかしそうに微笑む。


「うん……龍一と、入りたいな」


「バカッ!!お前、親父の前でなにいって」


──『バンッ』


 机の上の福沢諭吉が増殖した。


「龍一、混浴でもしたら、確実に『執行』しに行く。覗いても、『執行』だ。雷也、お前もだ。そういうのは、ハタチまで、禁止だ」


「分かりました……」


 迫力に気圧されたオレの代わりに、雷也が返答した。


「よし、忘れるなよ。じゃ」



 去っていく竜二の背中を見つめる。すっと振り返り、一言。