モバイバル・コード

「そうだ。そういう事だ。じゃあ、後、よろしくな」


 竜二は背中を向け、レジの隣の出口へ向かおうとした。


「あ……お父様、待って……」


「なんだ、行かないとまずいんだ」


「お金、お金払ってくれないと…」


「ぷっ……あはははっ!」


「確かに、僕達、お金持ってないね、ふふ」


「葵、今のはナイスツッコミだな」


「ちっ……じゃあさっきの金……じゃダメだよな。こういう、コトだろ」


 竜二はスーツの内ポケットから、茶色いサイフを取り出した。


「竜二さん、オレ達疲れたからさ、温泉行って来ていい? 雑誌で読んだけど、この時期、箱根が良いんだよね」