モバイバル・コード

 だが、オレの思惑を察知してか……愛梨は首を横に振った。


 葵も、ジッとオレを見つめている。正体がバレたとは言え、葵もオレの……性格を理解していた。


「葵、雷也、愛梨。そして龍一」


 竜二の、竜二さんの下あごの無精ヒゲが目についた。


 しかし葵とは似ても似つかない、無骨さだ。


「聞きたい事が、まだまだあるだろうな。お前達の不満も……分かるさ。

俺の、政府の事情を汲めとは、口が裂けても言わない。

ただ、一つだけ言葉を伝えたい。そして、霧島会長の代わりに俺が謝ろう。


時代は、まだまだ変わる。まだまだ、もっと進む。

そんな時に、必要な力は携帯の操作だけではない。

『モバイバル本戦』のような、自分の頭で考え抜く力。力を合わせて、生き抜こうとする力だ。


お前達が参加した事は偶然かもしれない。だが、あの結果は必然だったと思える。

あの場にいる全員、驚いた。引き分けに持ち込むなんて、前代未聞だろう。


お前達なら、必ずやっていける。生き抜いていけると、俺は信じることが出来る。


こちらにはこちらの都合がある事。

お前達に迷惑はもうかけないように、俺も動く。データ収集を活かして、サイト運営に繋げるとは思う。俺の仕事はそこまで絡んでいないので、知らないんだ」



 60点の答え。

 
 ただ、大人の都合に振り回されただけ、オレにはそう聞こえた。腑に落ちないまま、竜二さんは続けた。