モバイバル・コード

「もう一度伝えよう。

時代は、『携帯』に、『情報』に取り込まれる。

後ろの席に座っているヤツら、会話もせずに携帯ばかりいじってるだろう。

カップル。小さな子供の家族連れ。男三人のグループ。

下を向いて、携帯ばかり、いじってやがる。


龍一と俺が、同意見なのは、こんな物は『ゴミ』だと思っている所だ。


何度でも、俺は話そう。伝えよう。


10年前と今では、全く『世の中』が違う。俺も、初めは信じていなかった。手のひらサイズの電話が、世の中の主流になる、なんてな。

龍一くらいの歳の時には、こんな世の中になるなんて、これっぽっちも考えていなかったぞ」


 竜二はごつごつした指で、小さな丸を作った。


「確かに……僕も、今回の事は…驚かされたし、時代の変貌(へんぼう)を感じたよ。

『モバイバル』へのアクセス者数は、日に日に増えている。自分で、空恐ろしくなった。携帯電話、インターネットの世界が」


 雷也には思い当たる節がたくさんあるに違いない。