モバイバル・コード

「こ、ここどこっ!! 天国……じゃ、なさそう……雷也……葵ちゃん…竜二さん…?」


「車の中だよ。驚くのも無理はないし、僕達は、とりあえず生還できたんだよ。愛梨も……本当に良かった」


 雷也の言葉を聞いても、まだ事態が飲み込めていない様子の愛梨。それでも、オレの顔を見て、落ち着けたようだ。


「そうだったんだ……龍ちゃん、やっぱり勝ってくれたんだね…葵ちゃんは、どうして呼んだの? 全部……話したの?」


「わたし、わたし…ごめんなさい……」


「続きは、レストランの中で話そうぜ。竜二さんのおごりだ…よね?」


 竜二は『フッ』と鼻で笑った。サングラスの下は、きっと笑っている目をしていたはずだ。


 まだ、事情を聞いていない。オレの態度も、それで決めるか。


「いらっしゃいませ。お客様は何名様ですか?」


「5人だ。あっちの喫煙でいいかい?」


 竜二が指定した席に座るが、葵と雷也はトイレへ向かった。