モバイバル・コード

 発した言葉に、開いた口が塞がらない。竜二は、隣接する道路に向かって歩き出した。


「ねぇ、龍ちゃん……まさか、でいいんだよね? 娘を騙して、参加させたってこと…?まだ、聞きたいコトあるんじゃない…?」


「あるどころじゃないだろう……葵、まさか…」


 葵は、下を向いて、つぶやいた。


「わたしの…お父さん…」


 後で、全部聞こう。後で。


「雷也、行くぞ。『プロ』に聞きたい事は、山ほどある」


「龍一君、あの、愛梨ちゃんに、これを渡して……。政府の人間としてじゃなくて、一人の友達として、会いたいから」

 
 ナツキさんがオレにメモを渡した。中にはメールアドレスが書いてある。


「分かりました……。こんな形とはいえ、一時的に仲良くなった事は事実だから……愛梨も時間が経てば、受け入れられると思います」


 下唇を噛んで、歩みを進めるオレ達を見送る。


 最後に、どうしても伝えたい。


「霧島、慶二」