モバイバル・コード

 雷也と葵が、オレの隣にやってきた。


「……全部、お前達を試す為の『試験』さ」


 左の頬骨を右手で擦り、霧島慶二はゆっくりと答えた。


「試験なら、愛梨をこんな目に合わせても、オレや雷也を巻き込んでもいいのか」


「……良くはないさ。分かってはいる。だけどな、俺も『会長』として立場がある。色々とな」


 嘘をついていない事は、長年の付き合いで分かる。だが、隠しているのは気に食わない。


 こっちから聞いてやろうとした瞬間、雷也が話し始めた。


「兄さん、何がしたいのか……全部は分からなかった。

ただ、2回戦が終わってから……おかしいとは思っていた。

携帯電話の電池が切れても、死なないと思った辺りから、おかしいとは思った……。ただ、負けたら本当に殺すつもりだと、僕は思っていた」


「そうか」

 
 感情の籠っていない、冷たい目で、オレと雷也を見つめる。