そう思った瞬間、女の方もオレの元へ駆け寄って来て、手に持っていた携帯電話を奪おうと、グイと腕を掴んでくる。
「乱暴はやめて、わたし、わたし、入力するからっ!」
スーツ姿の男も女も、『早く』と叫びながら、オレと雷也の携帯電話を奪おうとする。
オレの方は、意味がない。『プレイヤー』の携帯電話なんぞ、くれてやる。
女にわざと奪わせたその一瞬で、雷也の腕を捻りあげていた男に体当たりをして弾き飛ばした。
「この野郎っ!!」
男は体勢を戻し、すぐに雷也から携帯を受け取ったオレに、拳を振り上げた。
──『ゴンッ』
この一週間で2回も大男に殴られるなんて。
「今、今打ってるからっ!!」
「お嬢様、早くっ!」
葵は、打ってはいない。すっと見えたその人差し指が、一ヶ所に止まっているのを見た。電源のボタンを長押しするつもりだ。
葵との距離は、5mはあった。男は、衝撃によろめいたオレの右手の中の携帯を奪おうと力を振り絞った。
この数秒が、とてもゆっくりと、感じられた。
「乱暴はやめて、わたし、わたし、入力するからっ!」
スーツ姿の男も女も、『早く』と叫びながら、オレと雷也の携帯電話を奪おうとする。
オレの方は、意味がない。『プレイヤー』の携帯電話なんぞ、くれてやる。
女にわざと奪わせたその一瞬で、雷也の腕を捻りあげていた男に体当たりをして弾き飛ばした。
「この野郎っ!!」
男は体勢を戻し、すぐに雷也から携帯を受け取ったオレに、拳を振り上げた。
──『ゴンッ』
この一週間で2回も大男に殴られるなんて。
「今、今打ってるからっ!!」
「お嬢様、早くっ!」
葵は、打ってはいない。すっと見えたその人差し指が、一ヶ所に止まっているのを見た。電源のボタンを長押しするつもりだ。
葵との距離は、5mはあった。男は、衝撃によろめいたオレの右手の中の携帯を奪おうと力を振り絞った。
この数秒が、とてもゆっくりと、感じられた。
