「お嬢様！！　早く！ここまで来たのに、どうして入力されないんですか」


「執行まで、残りが1分切っています！早くしないと、私達の負けなんですよ！」


「そんなの、知ってる！！　これで……アイツらの顔を見て、しっかり……倒すんだからっ！」


　葵はそのガラス玉のような大きな瞳で、オレをしっかりと見つめてきた。


　目が、訴えていた。


　『どうすればいい』と、激しく訴えていた。


　その時。


　男の方が、雷也に勢いよく駆け寄り、いきなり掴みかかった。身長180cmはあるだろう。血相を変えた顔を瞬間で確認すると、30代といった所だ。


　背負っていた愛梨を庇ったせいで、うつ伏せになる形で雷也は転んだ。


「おいっ！！お前っ！」


　ナビゲーターがどちらか分からない以上、オレも止められるはず。