「雷也っ!」


 狭い通路を進むと、左側に雷也が入ってきたと思われる、扉があった。


 そして『ナビゲーターはここから先、進入禁止』と書かれた紙が、オレの足元に置いてあった。


「龍ちゃん!! 大丈夫? 急ごう」


 下から上まで、一通りオレを見た雷也は、きっと驚いているに違いない。


 頭をぶつけ、身体をぶつけ、それでも愛梨の身体だけは傷をつけないようにと、フラフラになりながらも歩いてきた。


──『ブンッ」


 扉の上に設置されたモニターに、電源がつき、文字も表示された。


──3名様の携帯位置情報を確認。『モバイバル・コード』が発行されました

 
 書かれていた文字の下にある『QRコード』を、雷也がオレから受け取った携帯で読み込んだ。


 愛梨の身体を壁にもたれかけるように、そっと置く。