モバイバル・コード

 メッセージを、無表情で読む。


 自分をまるで客観視しているかのような、そんな錯覚に陥っていた。

 
 向こうの電池は……あるようだ。そうなれば、単純にどちらが早く抜けるか、その勝負。


 10分…。

 20分……。

 30分………。

 
 愛梨の事だけ、考えて、無心で歩き続ける。時折来る雷也のメッセージは、オレの激励と怒りに満ち溢れていた。


 途中で政府管轄アプリだという事に、気づいたのか、雷也はその怒りの部分を消し去った。


 身体の疲労が激しい。


 愛梨の身体が、人生が、とても重い。だけど、絶対に彼女を置き去りにはしない。


 残り時間が『40分』となった時。チャイムが鳴った。


 『マモル』達が『チェックポイント9』を超えた合図だった。オレは、20分起きに『7,8』とクリアをしていた。少し遅れた形だった。


 身体が壁にぶつかろうが、充電器『二つ』を交互に携帯に差し込み、画面だけを凝視して進む。