モバイバル・コード

 愛梨が、柔らかく、オレに話しかけた。


「龍ちゃん……なんだかんだで凄いよ。どんなデコボコ道でも……自分で穴を埋めて、進んでいくよね……」


 彼女のその言葉で、何かがすっと、自分の身体に入り込んだ。


 そうか、オレは………。


『作られた物が、苦手』


 思春期の発想だが、事実だ。


 作られた物が嫌いなんだ。人が作ったルール、モラル。それは良い。受け入れなければならない、社会性は、人間として持ち合わせなければならない。


 ただ、都合よく作られた物……勝手に大人の都合で作ったものが嫌いだった。本が好きなのは、本には作者個人の主張が書いてあるから。


 漫画は好きだが、アニメは好きじゃなかった。


 昨今のアニメの主題歌などが、大人の事情が丸見えだったから。


 いかにもな都合で作っているのが、気に食わなかった。それは誰か、偉い人のエゴとしか思えなかったんだ。

 
 だから、アニメはあまり好まなかった。そして携帯電話のゲームのほとんどが、漫画などをモチーフとしていても、そこまで興味が湧かない。それもそうだ、大人の黒い欲望が見え隠れしていたから。