モバイバル・コード

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■A/ROOM■

■B/ROOM■
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「二つの扉の上には、あっち側は『■B/ROOM■』って書かれてて、あたし達は『■A/ROOM■』って書かれてた」


 オレが愛梨に向けて『言葉』を発し、雷也が愛梨に向けて『言葉』を書いた。


 二人の男が同時に発したフレーズは、示し合わせたかのような内容だった。




「やっぱり愛梨にはかなわない」


【かなわないな、愛梨には】




「今日のお手柄で賞は、愛梨だな。ただのAの部屋だと読んでたけど、区切りがおかしい。オレだって、この単語は知ってる」


──『スラッシュ』


 『/』で区切って、かつ英語でわざわざ『ROOM』と書く。


 この『モバイバル』が英語をやたらと使いたがっているイメージは、全く無い。やるなら『A』,『Aルーム』,『Aの部屋』が自然だろう。