モバイバル・コード

 ワゴン車に乗り込んで、下り坂からやってきた。ナツキさんと、レイという男と。

 トンネルの内部の非常扉のような場所を抜けて、政府管轄Jacopaの『ロゴ』のような像を見て、ホテルのようなロビーから、重い観音扉を押し開けて中に入った。

 白い小部屋で、携帯電話に新しい充電器をセットされ、すぐに開始のメッセージが届いた。




 これしか、してない。しかし、何かが足りない気がしないでもない。


「愛梨、今からやってきたこと、全部書こう。3人で」


「あたしも思い出しているから。携帯に書いて、雷也にも見せるからね」


 雷也にオレの言葉と同じ文が飛んだ。


【龍ちゃんの記憶に足りないものは、無いよ】


 そうか……そうだよな、


 足りない物は、無い。


「ある。あるよ。二人共、ちゃんと見てなかったの?あたし、違和感があったの。

二人とも……男の子だから、細かい所って見ないでしょ。例えば龍ちゃんの髪型に少し寝癖がついているとか……」


 続く言葉が、核心へと繋がる。


──予感9割 期待1割