モバイバル・コード

 オレ達が乗ったあのワゴン車は、地下に降りていた。となれば、出口は地上だと考えて差し支えはない。


 『チェックポイント3』で、二層目。区切りよく行けば、『4,5,6』とクリアをした所でもう一つ『上』があっても……おかしくはない。


 考えれば考える程、勝ちの目が見えてこないな。上にあがれば、更に『既読攻略』の難易度が増すような気がする。もしかして、通用しないのかもしれない。

 
 そうなれば『マモル』達がつまづいて、かつオレ達が最短の時間で進まなければ、勝てない。絶対に。

 
 人間、危機感を感じると感情の制御が効かなくなってくるらしい。さっきから変な汗をかきながら進んでいる内に、頭の中のもやもやが、黒く変色してきた。


 あれだけ三人で、結束したのに。


 不協和音が、どこからか聞こえてくる。妨害装置の『ブォン……』という重低音が、まるでオレの心のように、くぐもっている。


 焦りが、ミスを誘発すること。それが、良くある事だと分かっていても、オレは愛梨に厳しく当たってしまう。


「何やってんだよ!2秒だろ、ここ!」


「ごめん」


 いつも、笑顔で明るく接してくれる彼女に対して、辛く当たってしまう。


 こんな事、言いたくなんて無い。