モバイバル・コード

「『火事』の原因を作ったオレが悪い。命を救われたからには、出来るだけ人の為に生きたいと願ってる。

偽善かもしれない。だけど、自分の事だけ考える人間より、ずっと良いと思う。ボランティア活動とか頻繁に出来るほど、時間も無いけど……常日頃から助けられるものであれば、助けたい。

稼げる物であれば、稼いで生活の足しにしたい。

お金だって、そう。今は緊急時だから使ってるけど、別に生活を楽にする以外に、欲しくはないな。

愛梨や雷也だけ、身の回りに居る人間だけでも、オレは力になりたいと思う」


 静けさの中に確かに存在する、オレと愛梨の感情。キモチ。考え。


「大人にはバレてるものなんだよ。

慶二兄さんだって、竜二さんだって……龍ちゃんが背負っている物や考え方が、見えているんだよ。慶二兄さんは、当事者だから分かるだろうけど……。

あたし、龍ちゃん自身の幸せって、したいことって聞いてみたい。今、どうしても」


「……あの時、慰めてくれた愛梨や雷也、それに助けてくれた慶兄が居なかったら……今の自分は無いだろうな。だから、三人の幸せがオレの幸せだよ。

それ以上でも、それ以下でもない。いつも通り、遊んでいるだけで幸せって思えるんだ」


 死にかけた人間にとって、生を感じていることが『一番の幸せ』


 それを守る為であれば、オレは……自分がどうなっても構わないと思っている。もちろん、絶対にそうとは思わない……そこまで強くは、無い。


「分かった。じゃあ、龍ちゃん、あたしと約束してよ」


「……何を?」