モバイバル・コード

「あっ……そうだ……。あのタクシーのおじさんに上げた、武器が……」


「はぁ……。アクションRPGって聞いた瞬間に、なんかイヤな予感がしたんだ。だけど『モバイバル』もアイテムによる戦力差は無いとか言ってるから……なんとかなるんじゃないのか」


 愛梨の困り顔を横目に、オレは先に歩いて雷也に【頼む】と送信。既読は1秒、こっちで合っている。


「愛梨、こっちだ」


──『ブブブーンブブブーン』

──【 メ ッ セ ー ジ 】──
■『L1ar4584』より■

【人に優しくしておくと、後で返ってくるって言うでしょ?あのオジサンに武器を渡した分は、見返りがあるはず。僕は全力で戦うよ。龍ちゃんと愛梨ばかり、頑張らせる訳には行かないから】
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 雷也の健闘は、祈るしかない。もちろん勝って欲しいが、負けても責められない。ただ、あの武器は『マモル』がオッサンを倒して手に入れてなかったか……?


 そう思いながらも、オレの思考は、RPGについてではなく、ある疑問へと集中していた。なんとなく……だ。本当になんとなく引っかかる。


 両チーム共に、クリアの方法は『確立』したはずなのに。それなのに、どうしてヒントを与えようとするんだ…?


 なぜだ、何がある。


 オレ達のこの『既読攻略法』は、完璧な答えじゃ無いかもしれない。だが、核心に迫っている答えのはずだ。実際、結果に表れている。


 まだ、何かあるとすれば……もしかして……。