「じゃあ、次は壁を挟んでやってみようぜ。オレが右に曲がるから、愛梨は……直進して曲がってもらえる?」


「うん、分かった」


 二人で配置につき、声を掛け合う。


「龍ちゃん、準備はいいよーーっ!」


「サン、ニイ、イチ、ゼロッ!」


 大きな声で、合図を発する


 時間は……『7秒後』に既読とついた。愛梨と合流し、お互いに結果報告。


「オレは7秒、愛梨は」


「1秒、だよ……これは『クロ』って事でいいのかな?」


「ああ、真っ黒だろ。もう一度やろう」


 オレ達は違う通路にそれぞれ向かい、同じ事をもう一度行なった。


 結果はお互いに『7秒』。『モバイバル』のアプリケーションの機能の一つ、この『既読機能』の時間のずれは、何を意味しているのか。


 雷也へメッセージを送り、その答えを待つ。


 『1秒』と『7秒』が意味しているものは、一つしかないだろう。